二重まぶたの手術

二重まぶたの手術方法の選択

二重まぶたの手術方法は(後で詳しく述べられますが)
A.埋没法(合併症が多いので当院では行いません)
B.小切開法
C.切開法
の3種類あります。

二重まぶたの手術目的は、
①二重のラインを付ける。これは、A.埋没法、B.小切開法、C.切開法どれでもできます。
②まつげを上向ける。これはB.小切開法、C.切開法になります。
③目をもっと軽く楽に大きく開けられるようにする。これはC.切開法になります。

チェック項目
①さかさまつげがあるかどうか
②眉毛を押さえてまぶたが開けられるかどうか、まぶたを開けるの邪魔している横走靭帯(後で詳しく述べられます)が発達している細い目なのかをチェックします。
③蒙古ヒダが発達しているか(目頭切開が必要かのチェックです)
 蒙古ヒダが発達していると、内側に二重のラインを作れない人、まつげの向きを変えられない人がいるからです。
 目頭切開とよく言われますが、切開するのでなく、Z形成術という瘢痕(きずあと)の目立ちにくい方法で、蒙古ヒダの位置をずらす内眥形成術(ないしけいせいじゅつ)を行います。
④腱膜が瞼板より外れている腱膜性眼瞼下垂症が併存しているかどうか(重りをまぶたに乗せてまぶたを開けられるかをチエックします、腱膜性眼瞼下垂症を参照してください)。

二重まぶたの手術料金

  料金(税別)
 初診料 2,000円
 再診料 1,000円
 小切開法 150,000円
 小切開法+目頭切開 250,000円
 切開法 200,000円
 切開法+目頭切開 300,000円
 目頭切開  150,000円
 他院修正 300,000円~


一重まぶたと二重まぶたとの違いは何?


 一重まぶたはの人は、弥生人の遺伝子を持っています。二重まぶたの人は縄文人の遺伝子を持っています。
 その形態の違いを生じている原因の一つは、上図の緑色の横走靭帯といって、まぶた中に、内側から外側に水平にまぶたを開きにくくしている靭帯(ヒモ)がいるのです。
 一重まぶたの人の靭帯は、太く強く張っているので、上下にまぶたは開きにくいので、細い目なのです。
 二重まぶたの人の靭帯は、細く弱く張っているので、上下にまぶたは開きやすいので、大きな目なのです。

一重まぶたと二重まぶたの形態の違いを生じている原因のもうひと一つは、まぶたを開けるアキレス腱に相当する腱膜にあります。
 まぶたを開ける筋肉の上眼瞼挙筋(じょうがんけんきょきん)はアキレス腱(腱膜)に変わり、まぶたの縁にある瞼板という板を持ち上げて、まぶたを開けています。
 二重まぶたの人のアキレス腱(腱膜)は、3つの層に分かれていて、一番深い層は瞼板に付き瞼板を持ち上げ、中間の層は、瞼板の前の皮膚に付着して二重を作りまつげを持ち上げ、一番浅い層は横走靭帯で反転して眼窩隔膜になり眼の上の脂肪を持ち上げます。
 一重まぶたの人のアキレス腱(腱膜)は、瞼板の前の皮膚に付着する中間の層がないので、二重にならず、まつげを持ち上げることもできません。したがって、おでこにシワを寄せて前頭筋を収縮させて眉毛を持ち上げて、まぶたの皮膚を持ち上げないとまぶたが開かないのです。


 二重まぶたの縄文人は、眉毛を持ち上げなくてもまぶたを開けられます。二重の部分で、持ち上げた皮膚が折りたたまれるからです。そして眼窩の上の骨の形は水平なのです。
 一重まぶたの弥生人は、眉毛を挙げられなくすると、まぶたを開けられません。二重の部分で持ち上げた皮膚が折りたたまれないことと、横走靭帯が太いので開けられないのです。いつも眉毛を上げているので、眼窩の上の骨の形は上に丸いのです。
 そのため、眉毛の高さ、まぶたの皮膚の量が二重まぶたの縄文人と一重まぶたの弥生人では異なります。
 多くの、現代日本人は混血で、両方の特性がまざりあっています。

二重まぶたの手術


埋没法は、まぶたの裏側と二重にしたい皮膚の間と糸を通して結び、①二重のラインを作る方法です。
当院はこの方法はほとんど行いません。なぜならミュラー筋に糸がかかり、ミュラー筋に関わる合併症が生じる可能性があるからです。


小切開法は、二重にしたい部分の皮膚を2-3ヶ所小切開して、上眼瞼挙筋(じょうがんけんきょきん)のアキレス腱(腱膜)の浅層である眼窩隔膜と、二重にしたい部分の皮膚を癒着するように縫合し、①二重のラインを付け、②まつげを少し上向けます。



切開法は、二重にしたい部分の皮膚を切開して、緑色で描かれた横走靭帯を切除し、眼窩隔膜と、二重にしたい部分の皮膚を、まつげを上向けながら縫合し、①二重のラインを付け、②まつげをもっと上に向け、③目をもっと軽く楽に大きく開けられるようにします。

参考文献)

1)Yuzuriha S, Matsuo K, Kushima H. An anatomical structure which results in puffiness of the upper eyelid and a narrow palpebral fissure in the Mongoloid eye. Br J Plast Surg. 2000;53:466-72.
2)Tanaka Y, Matsuo K, Yuzuriha S, Shinohara H, Kikuchi N, Moriizumi T. A transverse ligament located anterosuperiorly in the lower orbital fat space restricts lower eyelid retraction in the Mongoloid eye. J Plast Reconstr Aesthet Surg. 2008;61:603-9.
3)Mishima Y, Matsuo K, Yuzuriha S, Kaneko A. The supraorbital margin of Japanese who have no visible superior palpebral crease and persistently lift the eyebrow in primary gaze is higher and more obtuse than those who do not. Eplasty. 2013;13:e39.
4)Ban M, Matsuo K, Ban R, Yuzuriha S, Kaneko A. Developed lower-positioned transverse ligament restricts eyelid opening and folding and determines Japanese as being with or without visible superior palpebral crease. Eplasty. 2013;13:e37.

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