松尾形成外科・眼瞼クリニックのホームページを閲覧いただきありがとうございます。

 私は、まぶたを開ける構造やしくみ、そして、まぶたの病気のしくみや治療方法を研究しております。

 まぶたはなぜ開けるのでしょうか?まぶたを開ける目的は2つあります。
1)視野を確保するため。
2)脳を刺激して、青斑核を介して覚醒(目を覚ます)するため。

 これまでは、1)しか考えられていませんでした。
 まぶた(瞼)は眼球の蓋(目蓋)で、それを持ち上げて、視覚を網膜に到達させるために存在すると考えられていたのです。

 しかし、まぶたを開けて、人間にとって重要な視覚刺激を脳に入れても、後頭葉の視覚野は刺激されますが、視覚では意識の中枢である前頭前野は刺激されないことが報告されています(Christof Koch, Ph.D.)。

 それでは、まぶたを開けると、視覚以外の刺激が出て、意識の中枢である前頭前野を刺激するのでしょうか?

 まぶたを開けると、ミュラー筋機械受容器というセンサーがひっぱられ、そこからでた三叉神経固有感覚という自覚できない感覚が出ます。
 その感覚は、三叉神経中脳路核からギャップ結合(シナプスでない電気的結合)を介して青斑核(LC:Locus Coeruleus: 覚醒・筋緊張・交感神経緊張の中枢を直接刺激します。
青斑核は、前頭前野の中でも、意思決定したり、情動をコントロールしたり、記憶を想い起こす腹内側前頭前皮質(vmPFC: ventromedial prefrontal cortex)を刺激して、覚醒するのです。
 この神経経路は、本来戦うための経路なのです。まぶたをカッと見開き、覚醒して戦略を練りながら冷静さを保ち、身体中に力を入れ、心臓をドキドキさせて、手に汗かいた状態(滑らないように)を作ります。
 現代社会も生き抜くための戦いです。デスクワークが主になってきたので、覚醒して戦略を練ることしか要求されません。しかし、身体中に力が入ったり、交感神経緊張症状がでてしまうのです。

 目を覚ますためにまぶたをこするのも、このミュラー筋機械受容器というセンサーこすって、青斑核を刺激して覚醒しているのです。

 まぶたをこするくせ(アトピー、花粉症、コンタクトレンズ外し、メイク落とし、覚醒刺激、泣く、スポーツで頻繁に汗をふく)や加齢で、まぶたを持ち上げるアキレス腱である腱膜が瞼板より外れます。その状態を、腱膜性眼瞼下垂症と呼びます。

 そうなると、まぶたを開けて覚醒するために、さまざまな努力をするので、次のような症状がでます自著:松尾清、まぶたで健康革命、小学館参照

1.まぶたを開ける上瞼挙筋をいつも努力して強く収縮させていると、目の上奥が痛くなる群発頭痛眼精疲労がおきます。

2.Jendrassik手技として、歯をいつもかみしめて、開瞼筋の収縮を亢進させたり、交感神経を緊張させてミュラー筋を収縮させていると、咀嚼筋(そしゃくきん:かみしめるための筋肉)の頭痛や、顎関節症歯周病歯ぎしりが起きるようになります。

3.後頭前頭筋(こうとうぜんとうきん:眉毛を持ちあげる筋肉)をいつも収縮させて眉毛をあげて目を開けていると、おでこにシワができ、おでこや耳の後ろにある後頭前頭筋の頭痛が起きます。

4.いつも眉毛を挙げている人は、うなじや肩の筋肉が収縮して、顎が上がったり、首が前へ突き出るので、うなじや肩のこりがでます。

5.青斑核(不安障害の責任病巣とも考えられています)がいつも強く刺激されている人は、覚醒し過ぎていて、不安になり、不眠になり、刺激に敏感になり、身体中の筋肉に力が入り、交感神経が緊張するため、瞳孔(どうこう:黒目のこと)が大きくなってまぶしかったり、ドキドキしたり、手に汗かいたり、便秘になったり、手足の血管が収縮して冷え性になります。

6.腱膜性眼瞼下垂症が進行してまぶたが開きにくくなると、青斑核が刺激できにくくなり、疲れる、いつも眠い、やる気が起きない、体に力が入らない、などが起きます。

7.まぶたを努力して開けると、眼球を奥に引いてしまう人がいます。そういう方は、眼球の後ろにある毛様体神経節という副交感神経のセンサーが刺激されてしまいます。鼻が詰まる、喉がいがらっぽい、呼吸が浅くなる、咳喘息になるなど、気道が狭くなってしまうこともあります。胃がムカムカする、下痢するなどの消化管の蠕動(ぜんどう)が亢進してしまう人もいます。

 不定愁訴と考えられてきた、まぶたが原因で起きる症状を外科的に修復する機能的眼瞼形成手術を、少ない待ち時間で行うために開業することにしました。

 入院施設はないので、術後安静が必要な場合は、はまきたプラザホテルをご利用いただきます。

 クリニックの場所は、浜松市浜北区西美薗548-1です。

アイケアおおるり西美薗と同じ建物の一階の東側です。 JAとぴあ浜松北浜支店の南隣、ウエルシア浜松浜北店の北側です。

 浜松駅より遠州鉄道で浜北駅下車し、徒歩で15分かかりますので、タクシーをご利用ください。基本料金内です。一つ先の美薗中央公園駅から歩くと10分くらいです。

 お車で遠方より来院の方は新東名浜松浜北インターから約15分です。約22台の駐車場をご利用いただけます。google マップやカーナビでは、別の場所に誘導される可能性がまだありますので、多宝院(電話番号053-586-2880)と検索して、向かってください。多宝院の南側200mにクリニックはあります。



 平成28年1月18日(月)より開院しました。診察予約・予約日の変更は053-581-1515に電話でご連絡ください。平日10:00~18:00、

土曜日10:00~12:00にお願いします。


 またホームページでは、患者様だけでなく、医師の皆様にも、まぶたの機能と疾患についての情報を提供させていただきたいと考えています。


   松尾形成外科・眼瞼クリニック 院長

信州大学医学部形成再建外科学教室 名誉教授・特任教授

浜松医科大学附属病院形成外科 非常勤講師

松尾 清


kmatsuo@mabuta.net



平成28年1月18日に開院する
クリニックのウェブサイトもご覧ください
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院長プロフィール

昭和53年 3月  信州大学医学部医学科卒

昭和55年 4月  信州大学医学部附属病院 形成外科 助手

昭和61年 4月  信州大学医学部附属病院 形成外科 講師

平成 1年 1月  信州大学医学部附属病院 形成外科 助教授

平成 1年 4月  ペンシルベニア大学形成外科 特任研究員

平成 4年 4月  信州大学医学部 形成再建外科学教室 教授

平成27年 9月  信州大学医学部 形成再建外科学教室 名誉教授

平成2710月  信州大学医学部 形成再建外科学教室 特任教授

平成27年12月  松尾形成外科・眼瞼クリニック開設
平成28年 1月  松尾形成外科・眼瞼クリニック開院

診療内容

1.腱膜性眼瞼下垂症
2.先天性眼瞼下垂
3.眼瞼痙攣
4.睫毛内反症・老人性内反症(逆さまつ毛)、
5.眼瞼手術後の不調の修正
6.眼瞼・顔面の整容外科
7.シミ・しわ・たるみの診療を含んだ一般形成外科

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